名を残さず、記録もされず、それでも代々書き継がれてきた台帳がある。ここに写したのは、その一部である。分類は四つ。ただし、四つで足りているとは、誰も言っていない。
短く書き留められなかったものは、こちらに置いてある。
向こうから、歩いて訪ねてくるものの話。会ったあとに残るのは、痩せた体と、なぜか重くなった荷物だけだった。
鍼灸師が、二度と温まらない一点を体に増やしながら、還れなくなったものを還していく。第三話から、話の縮尺が変わる。
話ではなく、話の下に敷いてあるもの。
怪異が起きた場所を、土地に走る気の流れの上に置いた図。
昭和から現代へ。同じ世界で起きたことを、順に並べてある。
依代師とは何か、還りの型、冷えた穴のきまり、そして人物。