奇譚は、土地に走る「気の流れ」の上に生まれる。経絡が身体を巡るように、霊脈は大地を巡る。その節(ふし)――霊穴に灯る点が、ひとつの怪異。点を辿り、世界を歩く。
視えてしまう男は、視えないふりをして生きてきた。朝、雀の声で目を覚ます鍼灸師・泉京介。何も変わらないはずの一日が、患者の体に空いた〝冷えた穴〟から、静かに揺らぎはじめる。
地図の灯をなぞると、その奇譚が浮かび上がる。